お水のトラブルの話

先日あった、賃貸マンションにお住まいの知人女性の話です。
「ユニットバスの排水溝が逆流してしまう。詰まりを取る市販の薬剤を使っても効果なし。清掃業者を頼みたいけど、その費用は大家さんに請求できるのかしら?」
多くのマンションにおいて、各部屋からの排水は、枝管と呼ばれる管を通って、主管という太いパイプに集約し、下水に流れていきます。川の支流と本流の関係と同じですね。
で、分譲マンションにおいては、別段の定めのない限り、枝管は各部屋の所有者の所有物、主管は共有部分としてマンション全体の所有物という扱いがされます。
わざわざこんな風に分けるのは、こういった大掛かりな掃除や修理が必要なとき、その費用を誰が負担するかという問題にかかってくるのです。
まあその方は賃貸なので、基本的には修繕はオーナーが負担するものですので、「業者を頼む前に、管理会社に問い合わせてみたら?」とお答えしていました。
するとその方、問い合わせる前にもう一度だけ、と意を決して排水溝のフタを開けてみたんだそうです。
固くて絶対外れないと思っていたフタは意外にあっさり開き、中はもう、髪の毛がびっしり絡み合った地獄絵図…
排水溝には髪の毛が流れないようネットをかぶせていたのに、隙間から流れ出してしまっていたようで…
夜中にメガネマスク手袋装備で大掃除、すっかり取り除くと詰まりもスッキリ解消したそうです。
女性曰く、「業者の人呼んだら掃除をしてないのがバレて終わりだった。ここ数年で一番反省した」とのことでした。
お風呂場から、洗濯機から、台所から、生活排水は思いのほか流れ出て、思いのほか汚れています。
今どき天ぷら油をシンクに流す人はいません。でも油まみれのフライパンを洗った排水、洗剤、お風呂場ならシャンプーと、少しずつのつもりが想像以上に流れだしています。
そして前述の女性のような恐怖体験を忘れたころに味わうのですね。
分譲マンションの場合、枝管が詰まろうもんなら自己負担で清掃が必要だし、主管がダメになった日にはみんなで出してる管理費を盛大に使って大掃除が必要になるのです。もったいないですよね。
生活排水に気を配るのは、単にエコとかそういう話じゃなく、もっと切実なお金の問題にかかわってくるのです。
さあ、今日のお風呂から考えてみませんか。
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