2019年7月3日、鹿児島市内は記録的大雨による災害が発生しました。
川の氾濫、土砂崩れ等、至る所で被害の跡が痛々しく残っています。
まもなく梅雨は明けますが、夏になると台風や大雨の発生が頻発します、痛ましい事故を少しでも防ぐことができるように、簡単ですが災害への備えをまとめておきたいと思います。
是非参考にしていただければ幸いです。
なお、ブログですので少し簡略化して書きます。詳しいことについては、自治体が発行している防災関係の冊子等を是非お読みになってみてください。

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鹿児島市の場合
①大雨の際に発生する災害[洪水(河川洪水、内水氾濫)]
河川自体が氾濫したり、河川への排水ができずに水没が発生します。
[崖崩れ、地滑り]
急傾斜地などでは、浸み込んだ雨水が地盤を緩めて、崖が突然崩れ落ちることがあります。また、崖崩れの様に急激ではなくても、地滑りによって地面が動くこともあります。
[土石流]
山などの土、石、木といったものが雨水とともに流れ下ることがあります。時速は40kmにも達し家屋や工作物に甚大な被害を与えます。
②豪雨災害を事前に予測する[天気予報の確認]
「良い天気ですね。」「夕方から雨になるみたいですよ。」などと挨拶代わりに話題に出る程、天気の情報は万人に関係しますのでメディアやインターネットでも注目度が高く、気象庁を始め民間企業まで様々なところから発信されています。
一昔前と比べて、時間毎の予報や雨雲レーダーなど精度の高い情報を得ることも容易になっています。
大雨に関連する災害は、豪雨の真っ只中にいるときだけではなく、長雨が続いているときにも注意が必要です。
[異常な状態を捉える]
崖崩れ、地滑り、土石流といったものには山鳴りなどの異常な音がしたり、水が湧き出る、亀裂が入るなど前兆現象が見られます。河川においては、川の水位の変化や濁り、流木や小石が混ざっているといった状態になると土砂災害の危険が考えられます。
普段から河川の傍で過ごしていれば、水位の異常もすぐに気が付きますが、平常時がどの程度で通常の雨での増水はどの程度なのかについては、岸壁の色や草(植物)の状態を確認してみてください。普段は浸からないような青々とした草が浸かっているようだったら危険な状態です。
③豪雨災害への備え 災害の発生が予見されたら、まずは安全な場所に避難することです。
避難場所はどこなのか、住んでいる地域はどのような地域なのか、その際の避難経路や連絡方法といったものも考えておきましょう。鹿児島市内も当てはまりますが、避難場所は災害の種類によって異なりますので、災害毎に最寄りの避難場所がどこになるのかは一度確認しておく必要があります。
また、土砂崩れや河川の氾濫といった危険が判断しやすいものだけではなく、河川の水位はまだ大丈夫と思っていても、内水氾濫ということもあります。側溝の溢れや河川への流入経路が塞がれてしまっている状態になるなど河川の水位だけでなく周辺の状況にも気を配ってください。
④状況を確認する方法 まず、豪雨の際に河川に近づくことは非常に危険ですので絶対に控えてください。
水による事故もありますが、河川が溢れていなくても、足元は雨で滑りやすいですし、視界が悪く車からも見え難くなります。
最近は、直接見に行かなくてもインターネットを利用して情報を得ることができます。ギリギリになったら避難しようは厳禁です。「気になって見に行ったら事故に…」「溢れてしまって逃げられない…」ということにならないように、気になった時点(安全なうちに)でまずは避難。避難してから情報は安全なところで確認しましょう。
・テレビで確認する方法
dボタン
・防災行政無線自動電話案内サービス
災害発生時などに防災行政無線で放送した内容を電話で確認できます。
099-222-7222
・鹿児島地方気象台
気象情報、降水予報、火山情報などを確認できます。
https://www.jma-net.go.jp/kagoshima/・鹿児島県河川砂防情報システム
鹿児島県内の雨量データ、河川の水位、土砂災害の危険度情報などを確認できます。
http://www3.doboku-bousai.pref.kagoshima.jp/bousai/jsp/index.jsp・国土交通省 川の防災情報
「雨の状況」、「川の水位と危険性」、「川の予警報」などを確認できます。
https://www.river.go.jp/kawabou/ipTopGaikyo.do※「鹿児島県河川砂防情報システム」「国土交通省 川の防災情報」では、河川の状況(画像)がリアルタイムで確認できます。
⑤避難情報 避難情報については、最近「警戒レベル3」とか「警戒レベル4」という言葉を聞くことが多くなったかと思います。これは、2019年3月に改定された「避難勧告等に関するガイドライン」に基づいて、災害の危険度をレベル1からレベル5までの5段階で示して発表されるものです。
これまで、防災情報が気象庁であったり、国土交通省、県、市と様々な機関から発表されていましたので、判り難さを解消するために5段階にレベル分けした警戒レベルを新たに導入して、住民が取るべき行動、避難を促すというものです。ちなみに警戒レベルは市町村が発表します。似たもので、警戒レベル相当情報がありますが、これは国土交通省、気象庁、都道府県等が発表する防災気象情報に付されるものです。
「警戒レベル」と「警戒レベル相当情報」、発表する機関・判断材料の違いによってタイミングが前後することはあるとおもいますが、対象地域の方は「警戒レベル3」で高齢者等の避難。「警戒レベル4」で全員避難。を心掛けることが大切です。



詳しく知りたい場合は、下記のページが役に立ちます。
・内閣府 防災情報のページ 避難勧告に関するガイドラインの改定(平成31年3月29日)
http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/h30_hinankankoku_guideline/index.html・政府広報オンライン 「警戒レベル4」で全員避難です! 防災情報の伝え方が5段階に
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html・気象庁 防災気象情報と警戒レベルとの対応について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html・気象庁気象警報・注意報の種類
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html⑥避難時の注意点 実際の避難となれば、状況は様々です。
既に災害が発生してしまっている場合や夜間で視界が悪い場合、移動中の危険が伴う場合、高齢者や障害を負っている方など避難する方の身体的な都合も関係してきます。地域によっては避難情報が発表されてからでは間に合わないという場合もありますので、避難情報や警戒レベルだけに頼らず、安全が確保できるうちに早めの避難を行うことが肝心です。
避難方法には「水平避難」「垂直避難」「退避」が考えられます。
[水平避難]
避難所や高台などの安全な場所に避難する。避難経路の状況によって安全が確保できるうちに移動する。
単独で行動しない。避難経路上で危険な場所は避ける。動きやすい服装・靴を着用する。障害物に注意する。
[垂直避難]
浸水時などに、2階以上の高いところに非難する。建物の状態(堅牢な建物で倒壊の恐れがないことなど)を確認して判断する。
[退避]
自宅などの安全を確保できる場所に留まる。
災害が発生している場合や避難に危険が伴う場合、夜間の避難など、避難場所への非難と自宅での退避のいずれが安全かは、その時の状況や災害の種類にもよりますので、無理をしない判断も必要になります。
いずれにしても、まずは命を守ることを優先して避難を考えてください。避難場所への避難が困難な場合(避難経路で土砂災害や洪水が発生している、足元が危ない、既に浸水しているなど)や安全が確保できている場合には、垂直避難や退避を選択して無理に動かない方が安全な場合もあります。
安全確保の手段としては、災害が予想される時点(安全なうち)に適切な避難を開始しておくことかと思います。
なお、避難経路については一度確認しておくことをおすすめします。水の災害は勢いがあり、一度水が溢れてしまうと、地下道のような低い場所はあっという間に移動ができないほどに浸水してしまいます。どの段階ならどのような手段、ルートで非難するのかといった避難所までの経過を想定しておくことが大切です。
⑦避難場所 避難場所は公民館や学校など各地域に設けられています。
避難場所には「指定緊急避難場所」「指定避難所」「福祉避難所」、他にも「地震時の退避場所」「津波避難ビル」と種類があります。
一時的な非難には、「指定緊急避難場所」「地震時の退避場所」「津波避難ビル」、一定期間の避難生活が必要な場合には、「指定避難所」「福祉避難所」が利用されます。
豪雨災害の避難としては、まず、「指定緊急避難場所」への一時避難が考えられますが、災害の種類によって対応している指定緊急避難場所は異なりますので、最寄りの指定緊急避難場所を確認しておいてください。
また、先日の報道でもありましたが、鹿児島市では7月3日の記録的豪雨の際に一部の避難場所への避難者の集中、避難場所として指定されていた施設の近辺での河川の氾濫といった事態が発生しましたので、指定緊急避難場所の配置や定員の見直しを検討するようです。
なお、指定緊急避難場所を確認して、そこまでの避難経路や避難の手順などを決めたら、実際に歩いてみたり、マップを作成するという作業を行っておくのも避難時に有効です。
・鹿児島市 指定緊急避難場所・指定避難所・地震時の退避場所・津波避難ビル
https://www.city.kagoshima.lg.jp/kikikanri/kurashi/bosai/bosai/hinanjo/shite.html・鹿児島市 避難施設(指定緊急避難場所等)案内標識看板
https://www.city.kagoshima.lg.jp/kikikanri/kurashi/bosai/bosai/hinanjo/kanban.html⑧豪雨災害の後 被災してしまった場合、自治体から慶弔金や見舞金の支給、税関係の軽減、その他にも住宅、教育、保険料、貸付など行政からの支援を受けることができます。
罹災証明の発行、支援内容・手続きなど詳細な点は市町村役場に確認してみてください。
まずは、被災箇所、状態が判るように写真を撮っておきましょう。
それから、片付けに入りますが、衛生面の問題がありますので、マスク、手袋は必須。水に浸かってしまった家電製品などはよく乾かして、使用できるかどうかの確認は慎重に行ってください。更に、車などは安易にエンジンを掛けず専門業者に連絡してください。
また、ゴミ出しに関しては通常と異なる場合がありますので、市町村役場に確認してください。
家屋の浸水については、泥などを除去して消毒を。通気して十分に乾燥(扇風機の使用も可)させることも大切です。後々、衛生被害やカビの発生など思った以上に家屋は被害を受けています。
また、掃除には電気を使用しますが、ブレーカーを上げるときに漏電している恐れもありますので注意してください。水に関しても、上下水道、浄化槽などの確認を行ってからの方が宜しいかと思います。特に上水道は、飲み水として人体に取り入れるものですので、汚れに注意してください。目では綺麗に見えても、汚染されていて魚などの水生生物は死んでしまうことがあります。
とにかく、浸水被害は安易に考えず細心の注意を払うことが大切です。
豪雨災害においても、避難生活や自宅が復旧するまでの間に備えて、防災グッズとして飲用水、食糧、非常用の簡易トイレなどを常備しておくと役に立つかと思います。
さいごに 鹿児島市内も1993年8月6日に大規模な水害(8・6水害)が発生しました。
その後は治水事業が進み水害は減っていますが、高台の住宅地や急傾斜地も多く豪雨災害は発生しています。先日の7月3日にも記録的豪雨で洪水、土砂崩れが発生しました。
8・6水害では、多くの家屋が浸水し2階部分まで被害を被ったり、土砂崩れも発生して、当日の被害も相当なものでしたが、その後も断水が続いたり、川から上がってきた泥や流木の後始末など、季節も夏ということもあり体力面でも衛生面でも大変な状態だったのを覚えています。
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