FC2ブログ

空家問題への対処 その②「空き家の活用」

空家問題への対処その①「空き家問題について」の続きになります。

⑤空き家の活用方法
 今後、空き家を放置することは法律による規制も厳しくなりますのでできるだけ避けた方が良いと思われます。では、放置することなく空き家を活用したり、適正に管理するにはどうしたらいいでしょうか。
 まずは概ね4つの方法が思い付きます。
・売る…中古住宅、古屋付土地、更地
 家屋が使用可能な状態であれば中古住宅としての売買も可能です。リフォームやリノベーションを施してから売るのか、現状のまま売るのかは地域性や売却のターゲット層に合わせて検討してみてはいかがでしょうか。ただ、売却後のこと(雨漏りやシロアリ被害、設備の故障)も考えれば、一度、家屋の状態を入念に調べて問題のある部分の修繕等は行っておくことをお奨めします。
 また、修繕しても使用可能か判断できない場合や、家屋の痛みが激しく現状のままでは使用できないが解体する費用までは捻出できないといったような場合には、買主に家屋の使用の判断を委ねるものとして古屋付土地での売買も検討できます。不動産を探している方は多種多様ですので、見る方の価値観で活用方法が見つかるかもしれません。ただ、建替えを希望される方からは、解体費用を売り値から差し引いてほしいという相談があり値引き交渉に応じるという結果になることも多いと思われます。
 家屋や庭の痛みが激しい場合には古家付土地ではなく、予め、更地にして売り出すということも考えられます。更地の方が外観からも土地についてはっきりしているので買い手が見つかりやすいですし、売却後の問題も発生しにくいと思います。ただ、解体費用の負担や固定資産税の増額(軽減措置の適用外になる)という出費に繋がりますので、売り出し時期と合わせて検討してください。

・貸す…リフォーム後賃貸,DIY賃貸
 住む予定はないが売ることまでは…と思う場合には、貸すという選択肢もあります。
 将来的には自ら住む予定だが、とりあえずまだ先のことなので、されまで空き家にしておくのはもったいないとか、人が住んでいた方が朽廃しないという理由が考えられます。ですが、借主にとってはその貸家が居住の本拠となりますので、貸主が使いたいから出て行ってほしいと言ってもすぐには承諾できないところであります。そのため、将来的に自ら住むことを予定している場合には「定期借家契約」にしておくことも必要になります。定期借家契約は普通の賃貸借契約に比べて手続きが必要だったり、なかなか借り手が見付かりにくく、家賃を安めに設定する必要があったりとデメリットもありますが、立ち退きの交渉などが必要ない点で大きなメリットもあります。
 普通の賃貸借契約、定期借家契約のいずれにしても、貸すためには、借り手が見つかるよう、予め募集するにあたってはある程度のリフォームが必要になります。このリフォーム費用については、どこまで手を入れるかによって大きな負担となりますので、今後得られる家賃と比較して検討してみてください。また、このリフォーム費用の負担が重いという場合には、借主にリフォームを認めるDIY賃貸という方法もあります。借主にとっても、自分好みにリフォームしたいという希望に沿うことができますので、貸主、借主双方のメリットになる場合も多いかと思います。ただし、原状回復の範囲や造作買取、その他特約で定める事は多くなります。

・所有する…別荘,帰省時宿泊
 売りたいという事情もなく、貸したいという事情もない場合には、家族誰でもが利用できる別荘にしたり、お墓参りなどで帰省した際に泊まるための家として使ったりという方法で所有を続けるのも一つかと思います。ただし、居住の本拠としているわけではありませんので、日常の管理を適切に行う必要や所有している事での費用は毎年かかります。
 また、いずれ売買する場合などには、居住していたことや相続したことに関する譲渡所得税の優遇措置は受けられなくなる場合があります。

・その他…譲渡、寄付
 その他の方法としては、譲るということも考えられます。近くに住む親戚に譲ったり買い取ってもらったりしますが、個人間売買になることも多いかと思いますので、契約書の作成や建物の調査など一定の専門家を交えながら進めていくことをお奨めします。また、地方公共団体によっては、条件を満たせば寄付として受け入れたりということもしているみたいです。「空家対策特別措置法」の施工後、役所では空き家対策の窓口も多く設けられていますので、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

⑥空き家を維持管理する方法
 建物は現物ですので、時間の経過とともに劣化は進んでいきます。活用方法を検討している期間や当面所有するとした場合などで、長期に渡る場合には維持管理が必要になります。庭があれば草木が覆い茂りますし、ゴミの投棄をされるかもしれません。家屋も風を通さなければ湿気がたまったり、害虫被害を受けたり、気付かないうちに雨漏り等が起きてしまうと、使用上の問題や周辺への悪影響となります。
 このような状態にならないよう適切な管理が大切です。管理を怠った結果が空家対策特別措置法にいう「特定空き家」に繋がります。
 遠方で管理ができないというような場合には、空き家管理業務を行っている業者もありますので、検討してみてはいかがでしょうか?最近はふるさと納税の返礼品として空家管理サービスを提供している自治体もあるみたいです(兵庫県加古川市)。
 周囲に迷惑となったり、特定空き家とされてしまったり、せっかくの家屋の資産価値が下がってしまわないように、適切な管理や活用方法を検討してみてください。

⑦空き家問題に対する支援
 空き家対策については、役所や各種団体が様々な支援策を行っています。
 空き家の活用に対しては、空き家バンクや空き家活用アドバイザーの派遣。
 空き家の解体についても補助金が設けられていたりします。
 各支援策や空き家活用の相談受付など、個別の案件によって最適な支援策は変わってくると思いますので、お問い合わせしてみてください。

  エム管理不動産
スポンサーサイト



テーマ:住まい リフォーム - ジャンル:ライフ

空家問題への対処 その①「空き家問題について」

 総務省によると2018年10月時点の空き家数は全国で846万戸と発表されました。
 この中には賃貸用や別荘として利用されている戸数が含まれていますので、これを除いた347万戸が利用されていない空き家ということになります。

①空き家の発生原因
 原因として多いのは、相続に関するものかと思います。
 「既に相続人が全員持家を持っている」「遺産分割がうまくいかない」「処分する気になれない」「売ろうにも立地などの問題でなかなか売れない」。
 こういった事がきっかけになり、しばらくそのままにしていた後…
 そろそろ何か手を入れようかと思った頃に、家屋の解体費用は数百万という多額の費用負担が生じるし、建物を取り壊せば固定資産税が何倍にもなると聞いて手を付けられずに断念。空き家となってしまいます。
また、「貸家だったが、長期間入居者が決まらずに空き家になってしまったもの」や「セカンドハウスを所有していた方が亡くなられて、相続人がその住宅の存在を知らないまま空き家になってしまっている」というケースもあります。

②空き家の維持管理にかかる費用
 不動産にはまず固定資産税や都市計画税といった税金が課されます。
 ざっくり言うと固定資産税は評価額の1.4%、これに、都市計画税がかかる場合は評価額の0.3%が加わります。実際には後程述べますが小規模宅地特例により200㎡までの部分は固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されていますが、空き家のために支払うとなると結構な負担になります。
 適切な管理を行うとすれば、水道光熱費もかかります。空き家とはいえ手入れをしたり偶に宿泊したりするために契約を継続すると、これも年間では結構な金額になります。なお、特に水道は定期的な通水やトラップの破封防止、清掃や庭の手入れ等でも使用しますので必要です。
 また、庭がある場合には庭木の剪定や雑草の除去など年に数回の作業が必要になり、専門業者に依頼すると、これもそれなりの費用となります。
 おおよそですが、年間で30万円~50万円といったところでしょうか。
 また、これ以外にも定期的なメンテナンスとして、防虫処理や塗り替え等も視野に入れておくことも大切です。

③空き家が及ぼす影響
 適切な管理が行われない場合、空き家が及ぼす影響として、周辺環境への悪影響や防犯上の問題、防災上の問題といったものが出てきます。例えば、害虫被害や動物の棲家になったり、火災や犯罪の恐れ、美観への影響といったものでしょうか。
 このような状態が長期間放置されると、近隣からの苦情も出てきますし、他人に損害を与えてしまった場合には、所有者に責任が生じることになります。

④空き家等対策特別措置法の影響
 問題のある空き家が及ぼす影響については、これまで行政側も消防法や建築基準法、道路法等の様々な法律や空き家対策条例に基づき是正するよう所有者に求めてきていたところですが、やはり限界があり、「空き家等対策特別措置法」が制定されました。

[空き家等対策特別措置法の概要]
・空き家等とは?
空き家等対策特別措置法第2条第1項
この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

 まず、空き家等とは「居住などの使用がなされていないことが常態化(1年以上)している建築物や付属する工作物、その敷地を空家等と定義しています。

・特定空き家とは?
空き家等対策特別措置法第2条第2項
この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

 として、
 ①そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
 ②著しく衛生上有害となるおそれのある状態
 ③適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
 ④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にあると認められる空き家を特定空き家と定めています。

・特定空き家になったらどうなる?
 有名な話題なので「固定資産税が6倍になる」とか「優遇措置が受けられなくなる」と言うような事を聞かれたことがあると思います。
 これは、特定空き家に指定され、「勧告」を受けると、優遇措置が受けられなくなり固定資産税が一気に跳ね上がるというものです。
 詳しく見ていくと次のようになります。

 まず、不動産を所有されている皆様には、毎年役所から固定資産税の通知が届くと思います。この中には固定資産税と都市計画区域内にあれば都市計画税の2つの税金が記載されています。それぞれの税率は固定資産税が1.4%、都市計画税が上限0.3%(地方公共団体(市町村)によって異なります)となっています。

次に、固定資産税や都市計画税を計算する上で課税標準額というものがあります。簡単に言えば不動産(土地、建物)の評価額です。これに先に述べた税率を掛けて固定資産税や都市計画税が課されるのですが、課税標準額について、様々な軽減措置が講じられています。これが、住宅用地について見てみると以下のような軽減措置が適用されます。

・固定資産税の軽減
 200㎡以下の部分(小規模住宅用地)→ 課税標準の6分の1に軽減
 200m㎡超の部分(一般住宅用地)→ 課税標準の3分の1に軽減※建物の課税床面積の10倍が上限
・都市計画税の軽減
 200㎡以下の部分(小規模住宅用地)→ 課税標準の3分の1に軽減
 200㎡超の部分(一般住宅用地)→ 課税標準の3分の2に軽減

 特定空き家に指定され、「勧告」を受けると、この優遇措置が適用できないこととなってしまうので、一気に税金が跳ね上がります。
 ただ、実際には6倍になるのではなく、非住宅用地には商業地としての負担調整措置が適用されたり、200㎡以下なのか200㎡超なのかによっても異なりますので、おおよそになりますが、4倍弱位の値上がりになると思われます。

 そして、更に放置が進むと行政代執行等により解体等の措置が取られることになります。この場合の費用は所有者に請求がされますのでご注意ください。

 また、この法律で大事なところとして、所有者の情報を広く情報提供してもらえるようになったというところでしょうか。もちろんこれは、空き家を対策する上で、行政機関が個人情報の提供を受けやすくなったものですので、みだりに開示されるといったものではありません。ただ、所有者がより特定しやすくなったということになりますので、所有者不明で通知ができないという空き家が減りますので、これまで以上に所有者としては家屋の管理をしっかり行うように気を付けないといけないということになるかと思います。

 書きたいことをいろいろと書いていましたら、長くなりましたので、この続きは、空家問題への対処 その②「空き家の活用」でお話ししたいと思います。

  エム管理不動産

テーマ:住まい リフォーム - ジャンル:ライフ

プロフィール

エム管理不動産(永田行政書士事務所)

Author:エム管理不動産(永田行政書士事務所)
エム管理不動産(永田行政書士事務所)では「不動産取引」「分譲マンション管理組合支援業務」「行政書士業務」を行っております。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR