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民泊新法施行から1年

こんばんは。

民泊新法が施行されて今日で1年が経ちます。
マンション管理の現場では、禁止するのか認めるのかと施行前からかなり話題に上っていました。

禁止するならば、はっきりと禁止する旨を規約に盛り込んでおかなければならない。
のですが、実際に規約改正をするには、結構な労力が伴います。
規約改正をするには、規約案を作成して理事会で決議→総会通知→総会での特別決議という手続きが必要で、機械的に急いでも半月~1か月はかかります。
また、特別決議ですので説明を十分に行った上で、十分審議をして。となると更に大幅な期間の確保が必要になり、「では、翌期の定時総会に提案しましょう。」という扱いにされた管理組合様もも多いかと思います。

となると、禁止する旨の規約改正が行われるまでの間に民泊を始めてしまう区分所有者がいたら?規約改正において特別の影響を受ける者に該当するの?
といったことも管理組合を運営する中では想定しておかなければなりません。

また、万全の態勢で規約改正の総会を迎えたとしても、現実的に規約改正が通るには特別決議が必要です。また、規約自体に矛盾が生じていないか、招集手続きや決議要件にミスがないか、こういった事まで注意しておかなければなりませんので、通常の総会とは異なり規約改正のハードルは高いものとなります。

規約改正までのハードルが高く規約改正までの手続きが間に合わない場合、ひとまず理事会や総会で禁止の決議だけでもしておくという方法もありますが、この方法はあくまでも暫定的な措置と捉える方が宜しいように思います。
特に、民泊容認派と反対派で意見が分かれているような場合には、どう集約するか慎重に検討を重ねる必要があるのではないでしょうか。

というところで、昨年の総会で民泊禁止に関する規約改正の決議が不調に終わり、今期の総会で再提案した管理組合様もあると聞いています。
皆様のマンションでは如何だったでしょうか?

ここまで禁止する方向の話が先行してしまいましたが、そもそも民泊はその国の文化や生活に触れられるものですので、外国人観光客の方に日本を知っていただく良い機会を提供できるものと思います。実際、私共、日本人だと古臭いと思ってしまうようなお部屋でも、畳があり、布団を敷いて寝るということを喜んでくださっている外国人の民泊利用者もいらっしゃいます。
また、空家活用や不動産投資の手段の一つとして民泊という選択肢を有効に活用することもできますので、適法にマナーを守って民泊を楽しんでいただけるなら、民泊という制度は非常に有意義なものだと思います。
ただ、どうしても一部にはマナーが悪くトラブルを起こしているケースも発生しているのが悲しいところではありますし、特にメディアなどでこういったトラブルが放映されると目立ってしまいます。
夜中までパーティー騒ぎだった、ゴミをお構いなしに捨てていく、その他、悲しい事件の現場になってしまったというのもあります。

マンション管理の現場では、一度のマナー違反が住民間に大きな影響を及ぼすこともありますし、マンション自体の資産価値にも影響します。
そうなると、マンション管理士として相談を受けますと、大半のマンションが自己居住目的で購入されていますので、できれば禁止した方が良いという結論になることが多いです。

実際、民泊をするにしても、たまたま空き家になっているものを民泊で活用する場合と民泊をしようと物件から探す場合では事情は異なりますし、日数制限や採算性、適したエリアかどうか等でビジネスとして成り立つのかという見極めも大切ですので、全てのマンションが民泊に適しているかといえば否で、施行前に話題に上っていたよりは、民泊が広まっている感じは受けていません。

ですので、最近では無くなりましたが、弊社も民泊新法の公布、施行の前後には民泊に関する相談をいくつかお受けしました。
勿論多かったのは、民泊を禁止したいという相談ですが、民泊を可能にしたいという相談もあります。
特に投資型マンションの場合では、収益確保の目的で将来的な民泊の運用も検討できるようにしておきたいと言います。ただ、新築時は投資型マンションで売り出しても、不動産市場も今ほどの入居者不足は発生していなかったでしょうし、賃貸だけで投資として十分ペイできたのかもしれません。
それが、年数の経過とともに、築年数が経過し競合物件が増えてくると空室も増えてくる。でも、管理費や修繕積立金の負担は所有している限り続くとなれば、手放す方も増えてきます。当然、手放す時にはそれなりに築年数が経過していて不動産価格としては安くなっていますので、賃貸目的ではなく自己居住目的で購入される方もいらっしゃいます。

そうなると、自己居住される方と投資目的で所有される方の両方が管理組合を構成しますので、民泊の可否については意見が分かれてしまうんですね。
落としどころとして、規約で民泊は認めるが、民泊で利用する方は宿泊者の管理をしっかり行いトラブルにならないようにする。
具体的には、管理者としての義務を設けたり、ペナルティーがあったり、協力金という形で管理費に上乗せして金銭負担を発生させて、それを原資にマンションの防犯機器を購入するといった方法があります。
どのような方法が適しているかはマンションによって様々ですので、管理組合で意見を出し合いながら検討していく事が重要かと思います。

民泊新法が施行されて1年。
トラブル防止の観点から民泊禁止についての情報が早く広まった効果もあってのことか、騒がれていたほどの影響は感じないところですが、情報として出てこないだけで大小様々なトラブルが発生しているのではないかとも思います。
ただ、今後の不動産市場の状況を考えたときに、マンション管理の将来として禁止一辺倒だけではいけないのかなとも思います。
今後の管理組合運営としては、入居希望者がない。相続しても利用予定がない。売りたくても売れない。こういった空き室を原因として、管理費等の滞納や役員不足など管理に悪影響が及ぶことも懸念されます。

マンション管理の現場では、トラブル防止が最優先ですので安易に可否を判断することはできませんが、民泊を含む不動産活用によって、どのような影響があったのか、良い点・悪い点、問題の解決法など、年数を経るごとに情報が出てくると思いますので注意深く見ていきたいと思います。

施行1年が経過して思ったところでした。

エム管理不動産
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Author:エム管理不動産(永田行政書士事務所)
エム管理不動産(永田行政書士事務所)では「不動産取引」「分譲マンション管理組合支援業務」「行政書士業務」を行っております。

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